「些細だけど引っかかることがある」
「なんだい」
「水性ホビーカラーの61番(明灰白色)が尽きていた」
「それぐらい、近所の模型店で補充しろ」
「もう1つ、フィギュアのベースが尽きた」
「ベースってフィギュアの下に接着する台だね」
「ずっと昔に買った買い置きが2つあったが、1つは1号娘に使って、もう1つは5号娘に使って在庫が尽きたのだ」
「そうか」
「というわけで、うっかり考え無しに5号娘に使ってしまったので、買い足しも考えねばならない」
「なるほど」
「当初、新宿のボークスに行けば買えるだろうと思った」
「新宿三丁目の地下だね」
「でも、もう無くなっていたようだ」
「えっ? 無いの?」
「イエローサブマリンのスケールモデルショップもとっくに新宿三丁目に無いぞ」
「そりゃ大変だ」
「というわけで、秋葉原のラジオ会館6F7Fのボークスまで行けば買えるだろうと目星を付けて行ってきた。秋葉原探検などは無い直行便だ。時間が無いからね」
進捗 §
「その前に現在の進捗を教えてくれよ」
「以下のような状況だ」
- 1号娘 完成
- 2号娘 完成
- 3号娘 関東大震災(笑)の損傷から未だ回復せず
- 4号娘 完成
- 5号娘 完成間近
「5号娘が完成間近なので次が気になるわけだね」
「その前に3号娘を復旧して完成させる必要があるけどな」
秋葉原 §
「秋葉原はまるで別の街になったようだ」
「ははは」
「と思ったら総武線を降りて秋葉原デパート内の改札に降りたら改札は何となく見覚えがあった」
「まるで別物なのに、妙に慣れ親しんだ部分があるわけだね」
「というわけで、ラジカンにゴー」
「迷った?」
「6Fに上がるエレベーターに迷わず乗って上がれた」
「わははは。見かけがいくら変わっても基本的な部分は変化無いわけだね」
水性ホビーカラー問題 §
「色を塗っていて分かったことは、白は扱いにくいということだ」
「隠蔽力が弱いからね」
「フィギュアの地の色とも区別しにくいしね」
「そうか」
「だから、61番のような明るい灰色はぜひとも揃えておきたかったのだ。白っぽいけど、印象が強烈だから」
「なるるほど。単なる色の欠品では無いわけだね」
ベース問題 §
「結局同じようなベースの製品は無かった」
「そうか」
「あるのは、やや大きめになってしまう」
「それで?」
「大きめだと並べるときにスペースの無駄ができてしまうので、ぶち切れて2mm厚のプラ板を買ってきた。これをカットしてベースにする」
「見栄えが落ちそうだね」
「その分、ベースにも色を塗ってやるさ」
「それでいいの?」
「ベースを付ける意味は、重心の高いフィギュアが倒れにくくなることだから、見栄えは2の次でいい。どうせ見る人もあまり見ないし」
AFV問題 §
「ボークスはイマイチ居心地が良くなかった。ドールとガンダムと萌えばかりでね」
「そうか」
「と思ったら奥の方にスケールモデルのコーナーがあって、AFVって文字が大きく書いてあった時はホッとしたよ」
「わははは」
「僕にはまだ帰れるところがある。こんなに嬉しいことはない」
「それ、ただのガンダム」
イエローサブマリン問題 §
「7Fにはイエローサブマリンのスケールモデルショップもあったから覗いてきた」
「そうか」
「タミヤのスーパー・パーシングのキットが割引だったのはグラッと来たがガマンした」
「アメリカ戦車好きだものね」
「あと、ハセガワのガンビアベイも置いてあってグラッと来たがガマンした」
「どうして?」
「部品が細かいとどうせ作れないからだ」
利根問題 §
「でも、イエローサブマリンでは、ついアオシマの1/700ウォーターラインの利根を買ってしまった」
「それはなぜ?」
「理由は2つある。1つめは、軽巡利根を作ってみるという構想が昔からあり、そのために既に熊野は購入済みだったからだ」
「なぜ熊野?」
「要するに、15.5cm三連装砲塔を乗せた利根を作るということで、熊野は主砲の提供用ということだ」
「なるほど」
「そういう経緯があるので、既に買ってある熊野をどうするかは悩ましい問題であった。ストレートに作ってもしょうがないし、かとって利根は買ってないから軽巡利根は作れないし」
「新しいキットは当面買わないというポリシーを曲げて利根を買ったのは、その問題にケリを付けるためなんだね」
「そうだ。軽巡利根さえ作れれば問題は解消だ」
「じゃあ、主砲を交換して軽巡利根と重巡熊野ができるわけだね?」
「それは無理だ。なぜなら利根は砲塔が4つだが、熊野は5つだからだ。熊野の砲塔を利根に持って行くことはできるだろうが、逆は数が足りない」
「おっと!」
「もう1つの理由は、利根がアオシマ製だったからだ」
「どうしてアオシマ?」
「過剰に細かくしないで作りやすくまとめてあると信じられたからだ」
「おっと。そこがポイント?」
「そうだ。他のメーカーならやめていたかもしれない。細かすぎると作れないからね」
「その点で、アオシマは信頼のブランドってことだね」
「作りやすさという点では信頼している」
「タミヤよりも?」
「タミヤはタミヤで、精密さ的確さでおそらく世界1だ。その点は信頼している」
「じゃ、ハセガワとフジミは?」
「フジミは理想が高すぎてやり過ぎちゃうメーカーだと信頼している。ハセガワはタミヤに次いでナンバーツーの座を絶対に渡さないと信頼している。タミヤとハセガワは仮面ライダーで言えば1号2号のような鉄壁のコンビだ」
「例えがわかりにくいよ」
「でも、最近は精密すぎる模型はイマイチ関係無いという気分なので、アオシマだけだな。実際に買うとしても」
「だから、アオシマの利根ということだね」
「その通り。アオシマじゃよアオシマじゃよ、かっかっか」
オマケ §
「というわけで、予定外の出費が高く付いたお買い物であった」
「そこは痛いね」
「なので、豪勢に昼食は外食しようかと思ったが取りやめて、家にまっすぐ戻ってスーパーで買ったケンミンのビーフンを作って昼食にした」
「安いな」
「美味かったし、量もけっこうあったから別にいいぞ」
追記 §
「惚れた!」
「なんだい急に」
「アオシマの利根のキットの中身をじっくり見て思った。これは良いものだ」
「なぜ?」
「過剰に部品が多すぎない。細かすぎない。適度なデフォルメが入っている」
「そうなの?」
「たとえば、魚雷発射管が単体部品として存在しない。他のメーカーの重巡なら絶対別パーツの魚雷発射管を裏から取り付ける構造になるところだ。でも、潔く省略してる。どうせ、ほとんど見えないパーツなんだから略しても大差ない」
「そうか」
「あと1944仕様みたいなんだが、単装機銃の穴は貫通してない。だから付けない仕様で作っても別に見栄えは悪くならない」
「そうか。思い切って、もっと手前の年度という想定でシンプルに作るのもありか」
「まあ、複数キットで部品を共通にする工夫なんだろうけどな」
「わはは」
「適度なデフォルメもあるが、けっこう自由度もある。やっぱりアオシマの艦船模型好きだぜ!」
「こりゃ6号娘は軽巡利根になりそうだね」